犬の脱毛はなぜ起こる?|犬の脱毛の原因や効果的な対策を徹底解説

犬の脱毛はなぜ起こる?|犬の脱毛の原因や効果的な対策を徹底解説

愛犬の脱毛が気になっている飼い主様は多いのではないでしょうか?
犬の抜け毛が増えたり、部分的に毛が薄くなったりすると、
「何かの病気なのかな?」
「何か対策が必要?」
と心配になりますよね。
犬の脱毛にはさまざまな原因がありますが、適切な対策を取ることで改善できるケースも多いです。
この記事では犬の脱毛の原因を詳しく解説し、おすすめの脱毛対策をお伝えします。
犬の脱毛にお悩みの方は、ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の健康的な被毛を守りましょう。

犬の正常な換毛とは

柴犬の脱毛

犬は春と秋の年2回、換毛期を迎えます。
この時期の抜け毛は自然な生理現象であり、心配する必要はありません。
特に、

  • 柴犬

  • 秋田犬

  • ゴールデン・レトリバー

  • シベリアン・ハスキー

  • チワワ

  • ミニチュアダックスフンド

などのダブルコートと呼ばれる二重構造の毛を持つ犬種は抜け毛が多い傾向にあります。

犬の異常な脱毛の原因

カラーをしているトイプードル

犬の脱毛は換毛期の生理現象のこともありますが、以下のような場合には注意が必要です。

  • 特定の部位の毛が集中的に抜ける

  • 皮膚が赤くなったり、かさぶたができる

  • 皮膚のかゆみを伴う

  • 年間を通じて激しい抜け毛が続く

  • 毛が生えてこない部分がある

  • 脱毛以外に体調の変化がある

これらの症状は病気のサインである可能性が高いです。

ここでは犬の脱毛の代表的な原因をご紹介します。

アレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎は犬でよく見られる脱毛の原因です。
特定の食材や花粉、ダニなどの環境中のアレルゲンに対してアレルギー反応を起こし、皮膚がかゆみや炎症を起こします。
アレルギー性皮膚炎では犬が皮膚を引っかいたり、舐めたりすることで脱毛が進行します。
特に顔周りや腹部、指の間に脱毛が出やすいですね。
アレルギー性皮膚炎は若い時期に発症し、生涯にわたり管理が必要になることが多いです。

寄生虫感染症

ニキビダニや疥癬などの寄生虫感染も激しいかゆみを伴い、脱毛を引き起こします。
ニキビダニは目や口の周囲に、疥癬は耳の縁や肘、腹部に症状が出ることが多いです。
これらの寄生虫感染は子犬や免疫力の低下した犬で発症しやすいので注意しましょう。

ホルモンバランスの乱れ

甲状腺機能低下症やクッシング症候群などのホルモン異常は全身性の脱毛を起こします。
これらのホルモンバランスの乱れでは左右対称性の脱毛が見られ、かゆみを伴うことは少ないです。
また、食欲や活動性、排便や排尿にも変化が見られることがあります。
高齢の犬でかゆみを伴わない左右対称性の脱毛が出て、体調の変化をきたす場合はホルモンの異常を疑いましょう。

皮膚糸状菌症

皮膚の真菌(カビ)感染である皮膚糸状菌症では足や耳、鼻などの末端部に脱毛が見られることが多いです。
皮膚糸状菌症は早期に治療をしないと脱毛がどんどんと広がってしまいます。
また、皮膚糸状菌症は人にもうつることがあるので要注意です。

ストレス性脱毛(舐性皮膚炎)

犬はストレスを感じると体を舐めたり、噛んだりすることで脱毛を引き起こすことがあります。
犬は

  • 引っ越し

  • 家族の生活スタイルの変化

  • 長期間の留守番

  • お出かけ

などの環境の変化でストレスを感じやすいですね。
ストレス性脱毛では前肢や後肢など部分的な脱毛が生じることが多いです。

栄養不足

健康な皮膚や被毛を保つためには十分な栄養が不可欠です。
不適切な食事や栄養バランスの偏りにより、被毛の健康状態が悪化し、脱毛につながることがあります。
特にタンパク質やオメガ3脂肪酸、ビタミンEなどの栄養素が被毛の健康に重要です。

今日から始められる犬の脱毛対策

犬を可愛がっている飼い主

犬の脱毛は原因に合わせて適切な対策を取ることが大切です。
皮膚の感染症やホルモン異常などは早期発見・早期治療が重要なので、少しでも気になることがあれば、獣医師に相談しましょう。
ここでは、飼い主様が自宅でできる具体的な脱毛対策をご紹介します。

アレルギー対策

アレルギー性皮膚炎が疑われる場合は、アレルゲンを回避することが大切です。
食物アレルギーでは、アレルゲンを含まない療法食を与えましょう。
また、犬アトピー性皮膚炎など環境中のアレルゲンが原因となっている場合には室内のハウスダストやダニを減らすために、こまめな掃除や空気清浄機の使用が推奨されています。

保湿ケア

保湿も犬の脱毛対策に重要です。
皮膚が乾燥した状態が続くと、皮膚のバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなります。
その結果、皮膚のかゆみや炎症を引き起こし、脱毛の原因となることがあります。
保湿剤は犬専用のものを選び、毎日コツコツと継続することで効果を実感しやすいです。
犬の保湿については以下の記事にまとめているのでチェックしてみてください。
犬に保湿は必要?|皮膚トラブルを防ぐ正しい保湿ケアとは

栄養補給

皮膚や被毛の健康を保つためにはバランスの取れた食事も必要です。
特に、

  • タンパク質

  • オメガ3脂肪酸

  • ビタミンE

  • ビタミンA

  • 亜鉛

などが皮膚や被毛の健康に重要な栄養素です。
犬の脱毛を防ぐためにドッグフードの成分表示を確認し、必要な栄養素が含まれているかをチェックしましょう。
また、これらの栄養素をバランスよく摂取するにはサプリメントの使用もおすすめです。

犬の皮膚によいサプリメントに関しては以下の記事にまとめています。
犬の皮膚の健康を守るサプリメントとは|犬のサプリメントの成分を解説

ストレスフリーな環境づくり

犬はストレスが脱毛の原因になることがあるため、ストレスフリーな環境づくりを心がけましょう。
静かで落ち着ける場所を確保し、快適な環境を整えることが大切です。
また、散歩や遊びなどを通して、十分な運動をさせ、ストレスを発散させることも重要です。

腸活

近年、皮膚や被毛の健康のために腸活が注目されています。
腸活とは腸によい成分を摂取し、腸内環境を整えることです。
腸と体の免疫は密接に関係しており、腸活を行うことで、体の免疫システムが整い、アレルギーなどの炎症反応を抑えることができます。
また、腸活は消化吸収を促進し、被毛の健康にもつながります。
腸活は以下の記事で詳しくまとめているので、ぜひご覧ください。

犬の腸活完全攻略ガイド|腸と皮膚の意外な関係とは

まとめ

犬の脱毛は多くの飼い主様にとって悩みの種ですが、原因を特定し、適切な対策をすることで、その多くは改善が期待できます。
日頃から愛犬の様子をよく観察し、気になることがあれば、早めに獣医師に相談しましょう。
また、脱毛対策として保湿や腸活などを日常的に行うことで、健康な皮膚と被毛を維持することが可能です。
愛犬の快適な生活のために、日常的なスキンケアを取り入れてみてください。

 

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記事監修者

伊従慶太獣医師

どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科主任皮膚科医
伊從 慶太
アジア獣医皮膚科専門医・獣医師・獣医学博士(獣医皮膚病学)

麻布大学を卒業後、岐阜大学連合獣医学研究科にて博士課程を修了。
東京農工大学、ドイツミュンヘン大学およびスウェーデン農業科学大学において小動物および大動物の皮膚科研修を経て、2015年にアジア獣医皮膚科専門医を取得。
現在は、どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科で診察を行う傍ら、全国の獣医師に対する教育活動や学会活動、細菌性皮膚疾患、スキンケア分野を中心とした研究活動を行う。