犬に保湿は必要？｜皮膚トラブルを防ぐ正しい保湿ケアとは

「犬のフケが多く、かゆそうにしている」
「犬の皮膚がベタついていて臭いが気になる」
「犬がシャンプーした後に皮膚をかゆそうにしている」
このようなお悩みをお持ちの方はいるのではないでしょうか。
これらの犬の皮膚トラブルは乾燥が原因かもしれません。
人と同様に犬も健康な皮膚を保つためには、適切な保湿ケアが欠かせません。

この記事では犬の皮膚トラブルについてや保湿の重要性を詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬に正しい保湿ケアを行っていきましょう。

犬の皮膚の特徴

犬の皮膚は外部の環境から体を守るバリアとしての役割を担っています。
しかし、犬の皮膚は人と比べて薄く、とてもデリケートです。
また人の皮膚はpHは弱酸性ですが、犬の場合は中性〜弱アルカリ性になっています。
これらの違いにより、犬の皮膚は外部からの刺激に対してより敏感で、皮膚トラブルを引き起こす可能性が高くなります。

犬の皮膚が乾燥するとどうなる？

犬の皮膚が乾燥するとバリア機能が低下し、さまざまな皮膚トラブルにつながります。
ここでは乾燥によって引き起こされる皮膚トラブルについて解説します。

かゆみ

乾燥した皮膚はバリア機能が低下し、わずかな刺激でもかゆみを感じやすくなります。
犬が体を掻いてしまうことで、さらなる炎症や傷の原因になります。

フケ

乾燥によって皮膚のターンオーバーが乱れることがあります。
古い角質が剥がれ落ち、白っぽいフケが目立つようになります。

ベタつき

皮膚が乾燥すると皮膚はこれ以上水分が出て行かないように皮脂を過剰に分泌します。
皮脂が多くなると皮脂をエサにするマラセチアが増えて皮膚炎を起こすことがあるので注意しましょう。

保湿で犬の皮膚を健康に保つ

ここまで解説した乾燥による皮膚トラブルを防ぐためには保湿が重要です。
保湿を行うことで、皮膚のバリア機能を維持し、乾燥や外部刺激から皮膚を守ることができます。
特に冬場や湿度が低い環境では、皮膚の水分保持能力が低下し、乾燥が加速するため、定期的な保湿ケアが大切ですね。

犬の保湿剤の種類と選び方

犬用の保湿剤にはさまざまな種類があり、

• スプレータイプ

• クリームタイプ

• オイルタイプ

などが一般的です。
それぞれのメリットとデメリットを理解し、犬の皮膚の状態やライフスタイルに合わせて選びましょう。
例えば、スプレータイプは使いやすさが利点であり、クリームタイプは特に乾燥がひどい部分に適しています。

正しい保湿ケアの方法

犬の皮膚は非常にデリケートであり、シャンプーによって皮膚のバリア機能が低下し、水分が失われやすくなります。このため、シャンプー後には必ず保湿を行うことが重要です。
シャンプー後の保湿には、スプレータイプの保湿剤が特に便利です。スプレータイプは全体に均一に塗布しやすく、手軽に使用できますね。
また、アトピー性皮膚炎などの皮膚トラブルを抱える犬ではシャンプー後だけでなく、毎日の保湿がおすすめです。
散歩後などのスキンシップの一環として保湿を行いましょう。

まとめ

この記事では、犬の乾燥による皮膚トラブルと保湿の重要性について解説しました。
犬の皮膚は乾燥によりさまざまな問題を起こし、犬の生活の質が低下します。
保湿は自宅でも簡単にできる効果的なスキンケアです。
愛犬の皮膚の健康を守るために、日常のケアに保湿を取り入れてみましょう。


 

記事監修者

どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科主任皮膚科医
伊從 慶太
アジア獣医皮膚科専門医・獣医師・獣医学博士（獣医皮膚病学）
麻布大学を卒業後、岐阜大学連合獣医学研究科にて博士課程を修了。
東京農工大学、ドイツミュンヘン大学およびスウェーデン農業科学大学において小動物および大動物の皮膚科研修を経て、2015年にアジア獣医皮膚科専門医を取得。
現在は、どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科で診察を行う傍ら、全国の獣医師に対する教育活動や学会活動、細菌性皮膚疾患、スキンケア分野を中心とした研究活動を行う。