犬の皮膚の健康を守るサプリメントとは|犬のサプリメントの成分を解説

犬の皮膚の健康を守るサプリメントとは|犬のサプリメントの成分を解説

犬の皮膚トラブルは飼い主様にとっても辛いものですよね。

「最近、愛犬が体を痒がることが増えた」
「フケが増えた気がする」
「毛並みが悪くなってきた」

このようなお悩みをお持ちの方はいるのではないでしょうか。
犬の皮膚のトラブルの原因はさまざまですが、最近では、皮膚の健康を保つためのサプリメントも注目されています。

今回は犬の皮膚によいとされるサプリメントの成分について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の皮膚トラブルに対してサプリメントを積極的に活用しましょう。

犬の皮膚に使えるサプリメントはこちらから

犬の皮膚トラブルとサプリメントの関係

ブラッシングされるトイプードル

犬の皮膚は外部からの刺激や感染から体を守る重要な役割を果たしています。
しかし、さまざまな要因により皮膚トラブルが発生することがあります。
皮膚トラブルのおもな原因は以下の通りです。

  • アレルギー
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 栄養不足
  • 感染症

犬の皮膚トラブルは、

  • かゆみ
  • 皮膚の赤み
  • 脱毛
  • 皮膚の乾燥

などの症状として現れます。
これらの問題は犬の生活の質を著しく低下させる可能性があります。

適切な栄養補給は犬の皮膚の健康を維持し、トラブルを予防するために非常に重要です。
バランスの取れた食事に加えて、皮膚用サプリメントを与えることで、愛犬の皮膚の健康をさらにサポートすることができます。

犬の皮膚のサプリメントとは

サプリメント

犬の皮膚のサプリメントには、皮膚の健康に特化した栄養成分が含まれています。
これらの成分は皮膚の修復を促進し、皮膚のバリア機能を強化する効果があります。
犬の皮膚トラブルではサプリメントを有効活用することで、皮膚症状が緩和したり、痒み止めなどの投薬を減らすことが可能です。
また、サプリメントには副作用が少ないので長期的な使用も安心ですね。

犬の皮膚のサプリメントの成分

「犬の皮膚のサプリメントには何が入っているの?」

このように思われる方も多いと思います。
犬の皮膚のサプリメントに入っている代表的な成分は以下の通りです。

  • オメガ3脂肪酸
  • ビタミンE
  • ビオチン
  • コラーゲン
  • セラミド
  • 亜鉛
  • プロバイオティクス
  • プレバイオティクス

ここではこれらの成分について詳しく解説していきます。

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸の代表としてはEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)があります。
オメガ3脂肪酸には皮膚の血流を改善し、炎症を抑える効果がありますね。また、皮膚の水分保持能力を向上させ、外部からの刺激に対する抵抗力を高めます。
これにより、犬の皮膚が乾燥しにくくなり、健康的な被毛を保つことができます。

ビタミンE

ビタミンEは抗酸化作用により活性酸素から細胞を保護し、皮膚の老化を防止します。
また皮膚の水分保持能力を高めたり、炎症を抑制し皮膚トラブルを軽減します。
特に紫外線による皮膚ダメージに効果的です。
また、ビタミンEの抗酸化作用は必須脂肪酸と一緒に摂取することで相乗効果を発揮し、より効果的に皮膚を保護します。

ビオチン

ビオチンはビタミンB群の一種です。ビオチンには皮膚や被毛の再生を促し、健康な状態を保つ役割があります。
ビオチンが不足すると、皮膚の炎症や脱毛が起こりやすくなります。皮膚の赤みや脱毛などの症状が出やすい犬には、ビオチンの摂取が有効ですね。
犬は腸内細菌によって一部のビオチンを合成することができますが、腸内環境が悪化するとビオチンが不足しやすくなります。したがって、腸内環境を整えることも重要です。

コラーゲン

コラーゲンは皮膚を構成する主要なタンパク成分です。犬の体内でも生成されますが、年齢とともにその生成量は減少します。
サプリメントでコラーゲンを補給することで、皮膚の健康を維持することができますね。
コラーゲンは皮膚のハリや弾力を保ったり、キズの治りを促す働きがあります。
特に、高齢犬や皮膚の弾力が低下している犬にとって、コラーゲンの摂取が有効です。

セラミド

セラミドは、皮膚の健康を維持するために非常に重要な成分です。セラミドは皮膚のバリア機能を強化し、外的な刺激から犬の皮膚を保護する役割を果たします。

また、セラミドは皮膚の水分保持能力を高めることで知られています。
犬の皮膚は乾燥しやすく、特にアトピー性皮膚炎や脂漏症などの皮膚疾患を持つ犬ではバリア機能が低下しやすいです。
アトピー性皮膚炎でセラミドの内服と保湿剤を併用した結果、内服薬の減量に成功したという報告があります。

亜鉛

亜鉛は犬の体内でさまざまな酵素の働きをサポートするミネラルです。特に皮膚の健康維持において重要な役割を果たしますね。
亜鉛は皮膚の再生を促進しキズの治りを早めたり、皮膚の免疫システムを強化し感染症を予防する役割があります。
亜鉛不足は皮膚の乾燥や脱毛などを引き起こします。特に大型犬や成長期の子犬は亜鉛不足になりやすいため注意しましょう。

プロバイオティクス

プロバイオティクスは腸内の有益な細菌を増やし、腸内環境を整える生きた微生物です。
犬のサプリメントに含まれるプロバイオティクスは乳酸菌やビフィズス菌などが有名ですね。
プロバイオティクスは免疫を整えたり、アレルギー症状を緩和する働きがあります。
プロバイオティクスで腸内環境を整えることで皮膚の健康維持をサポートします。

プレバイオティクス

プレバイオティクスは腸内の善玉菌を増やすための栄養素であり、食物繊維やオリゴ糖などが一般的です。
プレバイオティクスは、腸内フローラを整えることで免疫を調節し、皮膚のバリア機能を改善する効果が期待されます。
特に、腸内環境が悪化すると皮膚トラブルが発生しやすくなるため、プレバイオティクスを通じて腸内環境を整えることは非常に重要です。
例えば、犬のアレルギー性皮膚炎では、ケストースというオリゴ糖の一種を摂取することによって皮膚炎や痒みが改善されたという報告もあります。

腸内環境を整えると皮膚トラブルが改善する?

草むらにいるコーギー

腸は免疫系の重要な部分であり、体内の免疫細胞の約70%が腸に存在します。
腸内細菌は免疫機能を調整し、アレルゲンに対する過剰反応を抑える役割を果たしています。
このため、腸内環境を整えることで、免疫バランスが改善し、皮膚症状が軽減する可能性がありますね。

犬のアトピー性皮膚炎では腸内環境を整えることで症状が改善するという報告もあります。

犬の腸内環境を整える方法

犬の腸内環境を整えるにはプロバイオティクスやプレバイオティクスの摂取が効果的です。
プロバイオティクスは有用な腸内細菌を直接摂取する方法であり、プレバイオティクスは腸内の善玉菌を増やすための栄養源となります。
これらを組み合わせたシンバイオティクスの摂取も有効ですね。
パラカゼイ菌などの特定の乳酸菌を与えることでアトピー性皮膚炎の症状が改善した例も報告されています。

犬の腸内環境を整えることは皮膚症状の改善に非常に有効であり、そのためには適切な食事管理やサプリメントの利用が重要です。愛犬の皮膚トラブルに悩む飼い主様は積極的に腸活に取り組んでみましょう。

まとめ

今回は犬の皮膚のサプリメントについて詳しく解説してきました。
皮膚のトラブルを改善するためにはサプリメントを有効活用してみましょう。
最近では特に、犬の腸活が注目されプロバイオティクスやプレバイオティクスを含んだサプリメントが登場してきています。

「愛犬の皮膚トラブルに悩んでいる」
「犬の皮膚によいサプリメントを知りたい」

このような飼い主様はお気軽にご相談ください。一緒に愛犬の皮膚の健康を守っていきましょう。

犬と猫の皮膚科の診察を受けるにはこちらからご予約ください

記事監修者

どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科主任皮膚科医
伊從 慶太
アジア獣医皮膚科専門医・獣医師・獣医学博士(獣医皮膚病学)

麻布大学を卒業後、岐阜大学連合獣医学研究科にて博士課程を修了。
東京農工大学、ドイツミュンヘン大学およびスウェーデン農業科学大学において小動物および大動物の皮膚科研修を経て、2015年にアジア獣医皮膚科専門医を取得。
現在は、どうぶつの皮膚科・耳科目・アレルギー科で診察を行う傍ら、全国の獣医師に対する教育活動や学会活動、細菌性皮膚疾患、スキンケア分野を中心とした研究活動を行う。