サモエドの皮膚にフケが出る|サモエドのフケの原因とおうちケアについて獣医師が解説!

こちらを向いて笑っているサモエド
「愛犬のサモエドの皮膚にフケが出てきた」
このように感じて、心配されている飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。
サモエドは、真っ白な被毛と口角の上がった愛らしい表情が特徴の、人気の高い犬種です。
一方で、サモエドは皮膚にフケが多くなる特徴的な皮膚病が見られることもあります。

今回は、サモエドの皮膚にフケが出る原因と、おうちでできるケアについて解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の皮膚の健康を守ることにお役立てください。

サモエドの皮膚の特徴

サモエドの皮膚には、フケとかかわる以下のような特徴があります。

  • 免疫が関係する皮膚病が見られる

  • ダブルコートの被毛をもつ

  • 北方系の犬種である

ひとつずつ見ていきましょう。

免疫が関係する皮膚病が見られる

サモエドでは、体を守る免疫のはたらきの乱れが関係している皮膚病が見られることがあります。
こうした皮膚病では、フケや脱毛などの皮膚の症状を伴うことが多いです。
免疫が関係する皮膚病は再発することも多いため、ふだんから皮膚の状態を観察する習慣をもつことが大切です。

ダブルコートの被毛をもつ

サモエドは、硬い上毛とやわらかい下毛が重なったダブルコートの被毛をもっています。
被毛が密なため、皮膚の小さな赤みやフケに気づきにくいことがあります。
とくに換毛期は抜け毛とフケが混ざりやすいため、ブラッシングのときに皮膚の状態もあわせて確認すると安心です。

北方系の犬種である

サモエドは、シベリアの寒い地域で生まれた北方系の犬種です。
シベリアンハスキーなど、同じ北方系の犬種では、被毛が抜けて薄くなる脱毛症が多いことが知られています。
被毛が抜けた部分にフケが出ることもあるため、被毛の変化には気をつけたい特徴です。

サモエドの皮膚にフケが出る皮膚病

サモエドの皮膚にフケが出る皮膚病として、以下のようなものが挙げられます。

  • 脂腺炎(しせんえん)

  • 毛周期停止症(もうしゅうきていししょう)

  • 犬アトピー性皮膚炎

それぞれについて解説します。

脂腺炎

脂腺炎は、サモエドの皮膚にフケが出る原因として知られています。
脂腺炎とは、皮脂を作る脂腺という組織に炎症が起こり、皮脂の分泌が低下して皮膚のバリア機能が弱まる皮膚病です。
この病気では、被毛にまとわりつく筒状のフケや被毛のツヤの低下が頭部や耳から全身へ広がることもあり、皮膚常在菌の二次感染によってかゆみや赤みが強くなる場合もあります。

脂腺炎の確定診断には、皮膚の一部を採取して調べる皮膚生検という検査が必要です。
脂腺炎は完治が難しく、シクロスポリンなどの内服薬から治療を始め、保湿や角質ケアを目的としたシャンプーなどのスキンケアと組み合わせて症状を抑えていくことがほとんどです。

毛周期停止症

毛周期停止症は、サモエドの被毛が抜けた部分にフケが出ることもある皮膚病です。
毛周期停止症とは、被毛が生え替わる周期が何らかの理由で止まり、胴体を中心に少しずつ被毛が抜けていく病気で、アロペシアXとも呼ばれます。

毛周期停止症の確定診断には、血液や尿検査、画像検査でほかのホルモンの病気を除外する必要があります。
毛周期停止症は脱毛以外に体調を崩すことのない病気で、必ずしも治療は必要ありませんが、脱毛部では細菌感染を伴うこともあるため、サプリメントや内服薬、スキンケアを組み合わせて発毛を目指します。

犬アトピー性皮膚炎

犬アトピー性皮膚炎は、犬種を問わず多く見られる皮膚病で、サモエドでもフケが出る原因となります。
犬アトピー性皮膚炎とは、ハウスダストや花粉などのアレルゲンに対して、皮膚が過剰に反応して、かゆみを起こす皮膚炎です。
この病気では、以下のような部位にかゆみが起きます。

  • 目

  • 口のまわり

  • 脇

  • 指の間

犬アトピー性皮膚炎は完治しないため、かゆみを抑える内服薬とスキンケアを組み合わせて、かゆみのない状態を保つ治療が行われます。

砂浜にいるサモエド

サモエドの皮膚の健康を保つ自宅でのケア

サモエドの治療は動物病院での診察が基本ですが、日々のケアを組み合わせることで、症状の改善や再発予防につながります。
具体的には、以下のようなケアが重要です。

  • 腸活

  • 保湿

  • 栄養素の摂取

それぞれについて解説します。

腸活

腸活は、サモエドの皮膚の健康を保つうえで役立つケアです。
腸内環境を整え、犬アトピー性皮膚炎などによるかゆみが緩和されれば、フケが多量に出ることも防げる可能性があります。
日常の食事に、乳酸菌やケストースを含むサプリメントを取り入れると効果的です。

腸活についてはこちらをチェックしてみてください。
犬の腸活完全攻略ガイド|腸と皮膚の意外な関係とは

保湿

保湿は、サモエドの皮膚の健康を保つために欠かせないケアです。
皮膚が乾燥すると、犬アトピー性皮膚炎によるかゆみやフケが目立ちやすくなります。
また、脂腺炎でフケが出ている部分や、毛周期停止症で被毛が抜けた部分も乾燥しやすいため、保湿によるケアが役立ちます。
サモエドは被毛が厚いため、保湿剤は被毛をかき分けて皮膚に直接塗り、1日に2回以上を目安にこまめに使うことが大切です。

保湿についてはこちらをチェックしてみてください。
犬のアトピー性皮膚炎には保湿スプレーが効果的?|保湿スプレーの正しい使い方

栄養素の摂取

栄養素の摂取は、サモエドの皮膚の健康を保つうえで大切なケアです。
ビタミンEやオメガ3脂肪酸など、皮膚や被毛に欠かせない栄養素を食事やサプリメントでバランスよく摂取することで、皮膚の健康を内側から支えることができます。
また、ビタミンEやオメガ3脂肪酸は、毛周期停止症のケアにも効果が期待されている栄養素です。

栄養素の摂取についてはこちらをチェックしてみてください。
犬の皮膚の健康を守るサプリメントとは|犬のサプリメントの成分を解説

まとめ

サモエドの皮膚にフケが出る皮膚病には、脂腺炎や犬アトピー性皮膚炎などが挙げられます。
フケや皮膚の赤みが続くときは、早めに動物病院を受診し、原因に合った治療を受けることが大切です。
そのうえで、腸活などの自宅でのケアを続けることが、皮膚の健康を守ることにつながります。
今回の記事が、愛犬のサモエドの皮膚でお悩みの方のお役に立てれば幸いです。


 

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記事監修者

伊従慶太獣医師

どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科主任皮膚科医
伊從 慶太
アジア獣医皮膚科専門医・獣医師・獣医学博士(獣医皮膚病学)

麻布大学を卒業後、岐阜大学連合獣医学研究科にて博士課程を修了。
東京農工大学、ドイツミュンヘン大学およびスウェーデン農業科学大学において小動物および大動物の皮膚科研修を経て、2015年にアジア獣医皮膚科専門医を取得。
現在は、どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科で診察を行う傍ら、全国の獣医師に対する教育活動や学会活動、細菌性皮膚疾患、スキンケア分野を中心とした研究活動を行う。