犬のアトピー性皮膚炎には保湿スプレーが効果的?|保湿スプレーの正しい使い方

犬のアトピー性皮膚炎には保湿スプレーが効果的?|保湿スプレーの正しい使い方

犬のアトピー性皮膚炎でお悩みの飼い主様は多いのではないでしょうか。
アトピー性皮膚炎はかゆみなどを引き起こす慢性的な皮膚疾患で、長期的なコントロールが必要です。
犬のアトピー性皮膚炎の管理では、投薬だけでなく、保湿も重要とされています。
犬の保湿剤には、さまざまな種類のものがありますが、使いやすいスプレータイプのものがおすすめです。

今回は犬のアトピー性皮膚炎についてや、保湿スプレーの効果を解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬のアトピー性皮膚炎の管理にお役立てください。

犬のアトピー性皮膚炎とは?

上目遣いのマルチーズ

犬のアトピー性皮膚炎とは、花粉やハウスダストなどの特定の物質(アレルゲン)に対して犬の体が過剰に反応してしまうことで起こるアレルギー性の皮膚疾患です。
アトピー性皮膚炎では皮膚のバリア機能が低下し、
  • かゆみ

  • 皮膚の赤みや炎症

  • フケ

  • 脱毛

  • 皮膚の黒ずみや肥厚

などの症状が見られます。
犬のアトピー性皮膚炎は、一般的に1歳から3歳の間に発症することが多いです。

犬のアトピー性皮膚炎の対処法

犬のアトピー性皮膚炎は慢性的な皮膚疾患であるため、長期的な管理が必要です。
ここではアトピー性皮膚炎の管理について詳しく解説します。

環境整備

環境整備は犬のアトピー性皮膚炎の管理において重要です。
アトピー性皮膚炎の原因となるアレルゲンが特定できた場合は、アレルゲンを避けることで症状の改善が期待できます。
例えば、ハウスダストや花粉が原因であれば、こまめな掃除や空気清浄機の使用が効果的ですね。
また、散歩のコースを季節に応じて変更することで、アレルゲンへの暴露を減らせる可能性があります。

薬物療法

アトピー性皮膚炎による皮膚の炎症やかゆみを抑えるために、ステロイド剤や抗ヒスタミン薬などを使用することもあります。
しかし、ステロイド剤は肝障害などの副作用もあるので、長期使用には注意が必要です。
近年では、副作用が少なく、特定のかゆみ刺激を抑える分子標的薬を使うこともあります。

スキンケア

アトピー性皮膚炎の犬では皮膚のバリア機能が低下しているため、外部の刺激に対して敏感です。
日常的に低刺激のシャンプーや保湿剤を使用することで、皮膚のバリア機能を強化することができます。
特に保湿剤は皮膚の乾燥を防ぐことで、かゆみを軽減することが期待できます。

アトピー性皮膚炎には保湿スプレーがおすすめ

犬のアトピー性皮膚炎の治療は、原因となるアレルゲンを特定し、可能な限り避けることが重要です。 
しかし、アレルゲンを完全に除去することは難しく、症状を完全に抑えることは難しいケースも少なくありません。
アトピー性皮膚炎の症状を抑えるために、近年注目されているのが保湿です。
犬の保湿剤にはさまざまな種類のものがありますが、全身に症状が出やすいアトピー性皮膚炎には、保湿スプレーが使いやすく、おすすめです。
保湿スプレーは皮膚の水分量を保ち、バリア機能を回復させることで、以下のような効果が期待できます。

かゆみの軽減

乾燥した皮膚は、わずかな刺激でもかゆみを感じやすくなります。
保湿スプレーで皮膚の水分量を保つことで、かゆみを軽減することができます。

炎症の抑制

保湿により、皮膚のバリア機能を強化することで、アトピー性皮膚炎による炎症を抑制します。
また、保湿成分自体にも、炎症を抑える効果を持つものも含まれており、皮膚の赤みを和らげる効果が期待できます。

二次感染の予防

乾燥した皮膚は、細菌や真菌などの微生物が増殖しやすくなります。
保湿スプレーで皮膚のバリア機能を回復させることで、二次感染を予防することができます。

保湿スプレーの効果的な使い方

風呂に入っているチワワ
保湿スプレーにはいろいろな種類があり、愛犬の症状や体質に合った製品を選ぶことが大切です。

ここでは保湿スプレーの効果を高めるための正しい使い方について解説します。

洗浄後の清潔な皮膚に使用する

保湿スプレーは、シャンプーや温浴などで皮膚を清潔にした後、タオルで優しく水気を拭き取ってから使用します。 皮膚に汚れがついたままスプレーすると、雑菌が繁殖し、症状が悪化する可能性があるので注意しましょう。

かゆがる部分を中心に使用する

皮膚に赤みがあり、かゆがっている部分は皮膚のバリア機能が低下している可能性が高いです。
かゆがる部分を中心にスプレーし、手で優しくなじませましょう。

こまめに使用する

保湿効果を持続させるためには1日数回、こまめにスプレーすることが大切です。
食事後や散歩後などタイミングを決めて継続できるようにしましょう。

まとめ

飼い主とシーズー

犬のアトピー性皮膚炎は、適切なケアを行ない、症状をコントロールすることで、愛犬が快適に過ごせるようになります。
保湿スプレーは、そのケアの一つとして有効な手段です。保湿を継続することで、症状が緩和され、投薬を減らせることもありますね。
愛犬のアトピー性皮膚炎にお悩みの方は、ぜひ保湿スプレーを取り入れてみてください。


 


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記事監修者

伊従慶太獣医師

どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科主任皮膚科医
伊從 慶太
アジア獣医皮膚科専門医・獣医師・獣医学博士(獣医皮膚病学)

麻布大学を卒業後、岐阜大学連合獣医学研究科にて博士課程を修了。
東京農工大学、ドイツミュンヘン大学およびスウェーデン農業科学大学において小動物および大動物の皮膚科研修を経て、2015年にアジア獣医皮膚科専門医を取得。
現在は、どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科で診察を行う傍ら、全国の獣医師に対する教育活動や学会活動、細菌性皮膚疾患、スキンケア分野を中心とした研究活動を行う。