ストレスで起きる犬の皮膚病とは|ストレスによって起きる皮膚病と対策について獣医師が解説!

愛犬が暇さえあれば足をなめて、脱毛したり皮膚が赤くなったりすると不安になりますよね。
「最近遊んであげられてないし、ストレスのせいで皮膚炎になっているのかも」
このように考える飼い主様もいらっしゃるでしょう。
じつは犬はストレスによって、皮膚病を起こすことがあります。
今回はストレスによって起こる犬の皮膚病とその対策について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬のストレスや皮膚トラブルに悩んだときの参考にしてみてください。

うつ伏せになっているトイプードル

犬のストレスによって起こる皮膚病

犬はストレスによって皮膚病を起こすことがあります。
とくに肢端舐性皮膚炎(したんしせいひふえん)はストレスによる犬の皮膚病としてよく見られます。
肢端舐性皮膚炎は犬が繰り返し足をなめることで足の皮膚が皮膚炎を起こす病気です。
犬は不安や退屈、緊張などのストレスを感じると、体をなめて気持ちを落ち着かせます。
中でも足は、犬がストレスを感じるとなめたりかんだりすることが多いです。

肢端舐性皮膚炎の症状

肢端舐性皮膚炎では足の皮膚に以下のような症状が現れます。

  • 赤み

  • 脱毛

  • かさぶた

  • ただれ(潰瘍)

  • 肥厚

最初は赤みや脱毛だけでも、犬がなめ続けることで炎症が強くなってかゆみが生じます。
皮膚にかゆみが出るとさらになめたくなって、犬はなめるのが止まらなくなります。
このかゆみの悪循環によって、肢端舐性皮膚炎は悪化して皮膚のただれや肥厚につながります。

悪化すると常同障害(じょうどうしょうがい)に発展することも

犬がストレスによって繰り返し体をなめていると、常同障害に発展することもあります。
常同障害は同じ行動を繰り返すことが自分の意志で止められなくなる精神状態のことです。
重症例では犬がしっぽや足先を強くかみ続け、皮膚がぼろぼろになることがあります。
犬が常同障害になっている場合は、抗精神薬を使わなければ治らないことがあります。

右前足に発生した肢端舐性皮膚炎

犬のストレス源にはどんなものがある?

犬のストレス源として考えられるものには、以下のようなものがあります。

  • 引っ越しや家族構成の変化

  • 留守番時間の増加

  • 新しい動物

  • 工事などの騒音

  • 運動不足

これらのストレス源と犬が体をなめ始めた時期が重なる場合は、ストレスによる皮膚炎の可能性があります。
犬が足をしつこくなめているときは、暮らしの中でこれらの変化が起きていないか振り返ることも大切ですね。

でも本当にストレス?犬が足をなめる他の原因

ここまでストレスによる犬の皮膚病を解説しましたが、愛犬のその皮膚炎は本当にストレスのせいでしょうか?
犬が足をなめる原因は他にもあり、とくにアレルギー性疾患によることが多いです。
犬が体をなめて皮膚炎を起こしているときに考えられる他の原因は以下です。

アレルギー性疾患

犬が皮膚をなめ続ける場合、アレルギー性疾患はとくに原因として多いです。
犬アトピー性皮膚炎と食物アレルギーは肢端舐性皮膚炎と区別が難しい病気です。
このため足をなめるのが改善しない場合は、皮膚科に詳しい獣医師に相談する必要があります。

ケガやバリカンなどの刺激

散歩中のケガやバリカンによる刺激で皮膚が傷ついた場合、犬が足を気にしてなめることがあります。
犬は皮膚が傷ついて炎症を起こすと、気になってなめ続けることが多いためです。

関節の痛み

関節の痛みがある場合、犬は痛む部位をなめ続けることがあります。
痛みがあるときは犬が痛そうな歩き方をしていることが多いです。

犬のストレスへの対処

犬のストレスに対しては、以下のような対策をとることが大切です。

  • ストレス源の除去

  • 遊びや散歩の充実

  • 薬物療法

  • サプリメント

ストレス源の回避

犬をストレス源からできるだけ離して、避けることは大切です。
新しいペットや特定の人物にストレスを感じているときは、生活スペースを分ける工夫が必要があります。
とくに小さな子供は犬にかまい過ぎることがあるため、ストレス源になりやすいです。

遊びや散歩の充実

遊びや散歩を充実させることは犬のストレスを軽減するために有効です。
知育玩具を取り入れるなど、脳を使う遊びを増やすことで落ち着く犬もいます。
犬が足をなめる症状がひどい場合は、生活リズムを変えてでも犬と触れ合う時間を確保する必要があるでしょう。

薬物療法

犬のストレスが強く常同障害になっている場合は薬物療法を行うことがあります。
常同障害になっている犬は脳のはたらきが抑制されており、自分で体をなめるのをやめられなくなっています。
このため薬物によって脳のはたらきを補助し、体をなめるのをやめさせることが必要です。

サプリメント

ストレス緩和に有効なサプリメントを犬に与えることも選択肢の一つです。
以下のような成分が犬のストレス緩和に効果があるといわれています。

α-カソゼピン(加水分解カゼイン)

α-カソゼピンは牛乳由来タンパクのカゼインを非常に細かく分解した物質です。
犬のストレスを緩和する作用があることがわかっており、さまざまなサプリメントに用いられています。

CBD(カンビナジオール)

CBDは大麻草から抽出したリラックス成分で、犬のストレス緩和に役立ちます。
大麻草からの抽出物ですが、依存性がないことが確認された安全な成分です。

プレ・プロバイオティクス(腸活)

プレ・プロバイオティクスは犬の腸内細菌叢を改善する腸活成分のことです。
プレバイオティクスは腸内で体に良い物質を生み出す善玉菌です。
またプロバイオティクスは善玉菌のエサとなるオリゴ糖などの物質を指します。
脳と腸は影響し合っており、腸内細菌叢が安定するとメンタルも安定しやすいことがわかっています。
腸活についてはこちらも読んでみてください。

犬の腸活完全攻略ガイド|腸と皮膚の意外な関係とは

まとめ

犬はストレスによって肢端舐性皮膚炎という皮膚病を起こすことがあります。
また重症だと常同障害になり、自分で自分を傷つけるのをやめられなくなります。
ストレスのせいかな?と思っても、まずは皮膚科に詳しい獣医師に相談しましょう。
今回の記事を参考に愛犬の皮膚とメンタルの健康のために役立ててください。


 

腸活で内側から健康にオリゴ糖×乳酸菌FINALANSWERNo.1サプリメントご購入はこちら
FINALANSWER 皮膚ケアで外側から健康に エリストール×ビタミンS誘導体×グリセリン FINAL ANSWER No.2 スキンケアスプレー ご購入はこちら

記事監修者

伊従慶太獣医師

どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科主任皮膚科医
伊從 慶太
アジア獣医皮膚科専門医・獣医師・獣医学博士(獣医皮膚病学)

麻布大学を卒業後、岐阜大学連合獣医学研究科にて博士課程を修了。
東京農工大学、ドイツミュンヘン大学およびスウェーデン農業科学大学において小動物および大動物の皮膚科研修を経て、2015年にアジア獣医皮膚科専門医を取得。
現在は、どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科で診察を行う傍ら、全国の獣医師に対する教育活動や学会活動、細菌性皮膚疾患、スキンケア分野を中心とした研究活動を行う。