「愛犬のイタリアン・グレーハウンドの毛が抜けてきた」
このように感じて、心配されている飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。
イタリアン・グレーハウンドは、すらりとした体と短く滑らかな被毛が魅力の犬種です。
一方で、イタリアン・グレーハウンドは皮膚が繊細で、脱毛が見られることが多い側面もあります。
今回は、イタリアン・グレーハウンドの皮膚に脱毛を起こす皮膚病と、おうちでできるケアについて解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の皮膚の健康を守ることに役立ててください。
イタリアン・グレーハウンドの皮膚の特徴
イタリアン・グレーハウンドの皮膚は、以下のような理由から脱毛などのトラブルが起こりやすいと考えられています。
-
アレルギーを発症しやすい
-
毛色の薄い被毛を持つことが多い
-
被毛が薄く抜け毛が目立ちやすい
ひとつずつ見ていきましょう。
アレルギーを発症しやすい
イタリアン・グレーハウンドは、アレルギーを発症しやすい犬種です。
ハウスダストや花粉などのアレルゲンに反応し、皮膚に強いかゆみが出ることがあります。
犬がかゆみから皮膚を掻き壊すと、その部分の被毛が抜けてしまうことも多いです。
淡い毛色の被毛を持つことが多い
イタリアン・グレーハウンドは、ブルーやフォーンなど淡い毛色の被毛を持つ個体が多い犬種です。
毛色を淡くする遺伝子は、被毛の構造をもろくすることがあります。
このため、イタリアン・グレーハウンドは淡い毛色の部分に限定した脱毛が起こりやすいです。
被毛が短く抜け毛が目立ちやすい
イタリアン・グレーハウンドは、もともと被毛が短い犬種です。
被毛の密度が低いため、少しの脱毛でも地肌が見えて目立ちやすくなります。
またこの犬種は、ホルモンや遺伝の影響で左右対称に被毛が薄くなることもあります。
イタリアン・グレーハウンドの皮膚に脱毛を起こす皮膚病
イタリアン・グレーハウンドの皮膚に脱毛を起こす背景には、以下のような皮膚病が考えられます。
-
犬アトピー性皮膚炎
-
淡色被毛脱毛症(たんしょくひもうだつもうしょう)
-
膿皮症
それぞれについて解説します。
犬アトピー性皮膚炎
犬アトピー性皮膚炎は、イタリアン・グレーハウンドの皮膚に脱毛を起こす原因のひとつです。
犬アトピー性皮膚炎とは、ハウスダストや花粉などのアレルゲンに対して、皮膚が過剰に反応してかゆみを起こす皮膚炎です。
犬が強いかゆみから皮膚を掻き壊し、その部分の被毛が抜けてしまうことが多く見られます。
この病気は完治しないため、かゆみ止めの薬剤とスキンケアを併用することで、かゆみのない状態を維持する治療が行われます。
淡色被毛脱毛症
淡色被毛脱毛症は、イタリアン・グレーハウンドのように毛色の薄い犬種に見られる脱毛症です。
淡色被毛脱毛症とは、被毛の色を薄くする遺伝子を持つ犬で、被毛がもろくなって少しずつ抜けていく病気です。
ブルーやフォーンの毛色の部分で被毛が薄くなり、フケや小さなブツブツをともなうこともあります。
この病気は確立された治療法がなく、脱毛した部位に皮膚炎が起きないようにスキンケアを行うことが中心となります。
膿皮症
膿皮症は犬の皮膚の常在菌であるブドウ球菌が毛穴で増殖して起こる皮膚病です。
イタリアン・グレーハウンドでは、犬アトピー性皮膚炎や淡色被毛脱毛症の影響で膿皮症が発症しやすいです。
膿皮症になると、皮膚に赤いぶつぶつやかさぶたを伴う皮膚炎を引き起こします。
最初は小さな皮膚炎でも、だんだんと範囲が広がって脱毛を起こすことも多いです。
治療にはブドウ球菌に対する消毒や静菌作用のあるエリスリトールの塗布が有効です。
イタリアン・グレーハウンドの皮膚の健康を保つ自宅でのケア
イタリアン・グレーハウンドの皮膚の健康を保つためには、自宅でのケアも大切です。
動物病院での検査や治療を基本としつつ、自宅でのケアによってより皮膚の状態を良く保つことが重要です。
具体的には、以下のようなケアが挙げられます。
-
腸活
-
保湿
-
栄養素の摂取
それぞれについて解説します。
腸活
腸活は、イタリアン・グレーハウンドの皮膚の脱毛を予防するうえで役立つケアです。
腸内環境が整い、犬アトピー性皮膚炎などの症状が緩和されれば、掻き壊しによる脱毛も予防できる可能性があります。
日常の食事に、乳酸菌やケストースを含むサプリメントを取り入れると効果的です。
腸活についてはこちらをチェックしてみてください。
犬の腸活完全攻略ガイド|腸と皮膚の意外な関係とは
保湿
保湿は、イタリアン・グレーハウンドの皮膚の脱毛を予防するために欠かせないケアです。
皮膚が乾燥すると、犬アトピー性皮膚炎によるかゆみや赤みが起こりやすくなります。
また、淡色被毛脱毛症やパターン脱毛症においても、脱毛したところは乾燥しやすいため保湿によるケアが重要です。
保湿剤は1日に2回以上の頻度で塗ることで、皮膚のうるおいを保つことができます。
保湿についてはこちらをチェックしてみてください。
犬のアトピー性皮膚炎には保湿スプレーが効果的?|保湿スプレーの正しい使い方
栄養素の摂取
栄養素の摂取は、イタリアン・グレーハウンドの皮膚の脱毛を防ぐうえで大切なケアです。
皮膚や被毛の健康を保つためには、ビタミンEやオメガ3脂肪酸などの栄養素が欠かせません。
これらをバランスよく含んだ食事やサプリメントで摂取することで、皮膚の健康を内側から支えることができます。
栄養素の摂取についてはこちらをチェックしてみてください。
犬の皮膚の健康を守るサプリメントとは|犬のサプリメントの成分を解説
まとめ
イタリアン・グレーハウンドの皮膚に脱毛が見られる背景には、犬アトピー性皮膚炎などの皮膚病が関わっていることがあります。
愛犬の皮膚の脱毛が続くときは、早めに動物病院を受診し、原因に合った治療を受けることが大切です。
そのうえで、腸活などの自宅でのケアを続けることが、皮膚の健康を守ることにつながります。
今回の記事が、愛犬のイタリアン・グレーハウンドの皮膚でお悩みの方のお役に立てれば幸いです。
どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科主任皮膚科医
伊從 慶太
アジア獣医皮膚科専門医・獣医師・獣医学博士(獣医皮膚病学)
麻布大学を卒業後、岐阜大学連合獣医学研究科にて博士課程を修了。
東京農工大学、ドイツミュンヘン大学およびスウェーデン農業科学大学において小動物および大動物の皮膚科研修を経て、2015年にアジア獣医皮膚科専門医を取得。
現在は、どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科で診察を行う傍ら、全国の獣医師に対する教育活動や学会活動、細菌性皮膚疾患、スキンケア分野を中心とした研究活動を行う。

