シベリアンハスキーの毛が抜ける?|ハスキーに多い皮膚病とおうちケアについて獣医師が解説!

「愛犬のシベリアンハスキーの毛が抜けてきた」
このように感じて、心配されている飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。
シベリアンハスキーは、澄んだ瞳と厚い被毛が印象的で、寒さに強くタフな犬種です。
一方で、シベリアンハスキーは皮膚が弱く、皮膚病が見られることが多い側面もあります。

今回は、シベリアンハスキーに多い皮膚病と、おうちでできるケアについて解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の皮膚の健康を守ることにお役立てください。

シベリアンハスキーの横顔

シベリアンハスキーの皮膚の特徴

シベリアンハスキーの皮膚は、以下のような理由から皮膚病が起こりやすいと考えられています。

  • アレルギーを発症しやすい

  • 毛周期の異常が起こりやすい

  • 亜鉛を吸収しにくいことがある

ひとつずつ見ていきましょう。

アレルギーを発症しやすい

シベリアンハスキーは、アレルギーを発症しやすい犬種のひとつです。
ハウスダストや花粉などのアレルゲンに反応し、皮膚に強いかゆみが出ることがあります。
犬がかゆみから皮膚をかき壊すと、皮膚炎が悪化することも多いです。

毛周期の異常が起こりやすい

シベリアンハスキーは、下毛の密な厚い被毛をもつ犬種です。
原因ははっきりしていませんが、このような被毛をもつ犬種では、被毛が生え替わる毛周期に異常を生じ、脱毛することがあります。

亜鉛を吸収しにくいことがある

シベリアンハスキーには、生まれつき腸から亜鉛を吸収しにくい体質をもつ犬がいます。
亜鉛は、皮膚の細胞が新しく作られるときに欠かせない栄養素です。
このため、亜鉛が足りなくなると皮膚のターンオーバーが乱れ、フケやかさぶたが目立つようになります。

シベリアンハスキーに多い皮膚病

シベリアンハスキーに多い皮膚病として、以下のようなものが挙げられます。

  • 犬アトピー性皮膚炎

  • 毛周期停止症(脱毛症X)

  • 亜鉛反応性皮膚症

それぞれについて解説します。

犬アトピー性皮膚炎

犬アトピー性皮膚炎は、犬種を問わず多く、シベリアンハスキーでも見られる皮膚病です。
犬アトピー性皮膚炎とは、ハウスダストや花粉などのアレルゲンに対して、皮膚が過剰に反応してかゆみを起こす皮膚炎です。
この病気では以下のような部位に、かゆみによる脱毛が多く見られます。

  • 目・口まわり

  • 脇・股

  • 足先・指の間

犬アトピー性皮膚炎は完治しないため、かゆみ止めの薬剤とスキンケアを併用して、かゆみのない状態を保つ治療が行われます。
かゆみが抑えられれば、かき壊しによる皮膚の傷も落ち着いていくことがほとんどです。

毛周期停止症(脱毛症X)

アロペシアXは、シベリアンハスキーに見られる脱毛症のひとつです。
アロペシアXとは、被毛が生え替わる毛周期が止まってしまい、少しずつ被毛が抜けていく病気です。
この病気では、胴体や首を中心に、左右対称の脱毛が多く見られます。

ただし、左右対称の脱毛はホルモンの病気でも起こるため、血液検査などでほかの病気を除外することが必要です。
アロペシアXに対しては、さまざまな治療法が検討されていますが、効果的な治療法は確立されていません。
命に関わる病気ではありませんが、脱毛した皮膚は皮膚炎を起こしやすいため、適切な皮膚のケアを行うことが大切です。

亜鉛反応性皮膚症

亜鉛反応性皮膚症は、皮膚に必要な亜鉛が足りなくなり、皮膚が正常に作られなくなる病気です。
シベリアンハスキーでは、生まれつき腸から亜鉛を吸収しにくいことが原因で起こることがあります。

この病気では、はじめは皮膚が赤くなり、そのあと脱毛やフケ、かさぶたが目立つようになります。
とくに以下の部位に厚いフケがつきやすく、二次的にマラセチア皮膚炎を起こすことも多いです。

  • 目・口まわり

  • 下あご

  • 耳

亜鉛反応性皮膚症の診断では、食事の内容を確認したうえで、皮膚の一部を採取して調べる皮膚生検という検査が行われます。
治療は不足している亜鉛を補うことが中心で、シベリアンハスキーでは生涯にわたって補充を続ける可能性があります。

シベリアンハスキーの群れ

シベリアンハスキーの皮膚の健康を保つ自宅でのケア

シベリアンハスキーの皮膚の健康を保つためには、自宅でのケアが重要です。
具体的には、以下のようなケアが挙げられます。

  • 腸活

  • 保湿

  • 栄養素の摂取

それぞれについて解説します。

腸活

腸活は、シベリアンハスキーの皮膚病を予防するうえで役立つケアです。
腸内環境が整い、犬アトピー性皮膚炎などの症状が緩和されれば、かき壊しによる皮膚の悪化も防げる可能性があります。
日常の食事に、乳酸菌やケストースを含むサプリメントを取り入れると効果的です。

腸活についてはこちらをチェックしてみてください。
犬の腸活完全攻略ガイド|腸と皮膚の意外な関係とは

保湿

保湿は、シベリアンハスキーの皮膚病を予防するために欠かせないケアです。
皮膚が乾燥すると、犬アトピー性皮膚炎によるかゆみや赤みが起こりやすくなります。
また、亜鉛反応性皮膚症や脱毛症Xで脱毛した部分も乾燥しやすいため、保湿によるケアが役立ちます。
保湿剤は1日に2回以上を目安にこまめに塗り、皮膚のうるおいを保つことが大切です。

保湿についてはこちらをチェックしてみてください。
犬のアトピー性皮膚炎には保湿スプレーが効果的?|保湿スプレーの正しい使い方

栄養素の摂取

栄養素の摂取は、シベリアンハスキーの皮膚病を防ぐうえで大切なケアです。
皮膚や被毛の健康を保つためには、亜鉛やビタミンE、オメガ3脂肪酸などの栄養素が欠かせません。
これらをバランスよく含んだ食事やサプリメントで摂取することで、皮膚の健康を内側から支えることができます。

栄養素の摂取についてはこちらをチェックしてみてください。
犬の皮膚の健康を守るサプリメントとは|犬のサプリメントの成分を解説

まとめ

シベリアンハスキーに多い皮膚病には、犬アトピー性皮膚炎や脱毛症Xなどが挙げられ、脱毛を伴うことも多いです。
皮膚の脱毛や赤みが続くときは、早めに動物病院を受診し、原因に合った治療を受けることが大切です。
そのうえで、腸活などの自宅でのケアを続けることが、皮膚の健康を守ることにつながります。
今回の記事が、愛犬のシベリアンハスキーの皮膚でお悩みの方のお役に立てれば幸いです。

 

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記事監修者

伊従慶太獣医師

どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科主任皮膚科医
伊從 慶太
アジア獣医皮膚科専門医・獣医師・獣医学博士(獣医皮膚病学)

麻布大学を卒業後、岐阜大学連合獣医学研究科にて博士課程を修了。
東京農工大学、ドイツミュンヘン大学およびスウェーデン農業科学大学において小動物および大動物の皮膚科研修を経て、2015年にアジア獣医皮膚科専門医を取得。
現在は、どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科で診察を行う傍ら、全国の獣医師に対する教育活動や学会活動、細菌性皮膚疾患、スキンケア分野を中心とした研究活動を行う。