犬の背中にできる皮膚炎|犬の背中に皮膚炎ができたときに考えられる病気を獣医師が解説!

犬の背中には気が付かないうちに皮膚炎ができていることがあります。
犬の背中は被毛が深く、赤みや小さな皮膚炎があっても外からは見えにくいですよね。
気づいたときにはかゆみが強くなっていたり、皮膚炎が広がっていたりすることもあります。
今回は犬の背中に皮膚炎ができる原因やおうちでできる予防ケアについて解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の皮膚トラブルの早期発見に役立ててください。

意外と気づかない犬の背中の皮膚炎

犬の背中は毛が密集しているため、皮膚炎ができていても意外と気づきにくいです。
背中はブラッシングする機会も多いですが、地肌までは見れていないこともあります。
そのため犬が背中をかゆがるころには、背中に皮膚炎が広がっていることも多いです。
犬が床に体をこすりつけているときは、背中の皮膚に皮膚炎があるかもしれません。

背中にできる皮膚炎は以下のようなものがよく見られます。

  • 痂皮(かさぶた)

  • 丘疹(赤いぶつぶつ)

  • 紅斑と脱毛(赤み・毛が抜ける)

犬の背中の毛をかき分けて地肌を観察すると、これらの皮膚炎が見つかることがあります。
そのようなときは犬が皮膚病にかかっていることがあるため、はやめに獣医師に相談しましょう。

痂皮、丘疹、発赤の画像

犬の背中に皮膚炎ができる病気

犬の背中に皮膚炎ができる原因にはさまざまな皮膚病が考えられます。
今回は犬の背中に皮膚炎ができる皮膚病の中でも、よく見られる以下の病気を解説します。

  • 膿皮症

  • 脂漏性皮膚炎

  • ノミ寄生

  • ニキビダニ症

  • 皮膚糸状菌症

膿皮症

膿皮症は犬の皮膚の常在菌であるブドウ球菌が毛穴で増殖して起こる皮膚病です。
犬アトピー性皮膚炎や内分泌疾患で皮膚バリアが弱くなると、膿皮症が発症しやすいです。
膿皮症になると、背中に赤い丘疹や痂皮を伴う皮膚炎を引き起こします。
初期は小さな皮膚炎でも、放置すると広範囲に広がって脱毛を起こすことも多いです。
治療にはブドウ球菌に対する消毒や静菌作用のあるエリスリトールの塗布を行います。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は犬の皮脂の分泌異常によって皮膚の環境が乱れることで起こる皮膚病です。
犬の背中は皮脂腺が多く、脂漏性皮膚炎では発赤や丘疹に加えべたつきが見られます。
べたついた皮膚では常在菌であるマラセチアが増えやすく、マラセチアによる皮膚炎を続発することも多いです。

また脂漏性皮膚炎は以下のような病気を背景に皮脂が増えて起こります。

  • 犬アトピー性皮膚炎

  • 食物アレルギー

  • 甲状腺機能低下症

  • 原発性脂漏症

脂漏性皮膚炎の治療のためには背景にある病気の治療とスキンケアが大切です。

ノミ寄生

ノミは犬に寄生して背中に皮膚炎を起こす非常に一般的な外部寄生虫です。
ノミによる皮膚炎には以下の2つがあります。

  • ノミに咬まれたところの炎症

  • ノミに対するアレルギー反応

とくにノミに対するアレルギー反応を起こすと、犬の腰に皮膚炎ができやすいです。
かゆみも強く、犬の腰の背中側が全体的に脱毛して毛が薄くなることも多いです。
またノミアレルギーはわずかなノミでも起こるため、ノミが見つからないこともあります。

ニキビダニ症

ニキビダニ症は犬の毛穴に常在するニキビダニが異常に増えることで起きる皮膚病です。
免疫力が低下している犬ではニキビダニが増えて皮膚に皮膚炎を起こすことがあります。
ニキビダニは顔周りや四肢で増えやすいですが、背中でも増えることがあります。
とくに背中の中でも首から肩にかけて、皮膚炎や脱毛を起こすことが多いです。
ニキビダニは目に見えないため、定期的に駆虫薬の投与を行って予防することが大切です。

皮膚糸状菌症

皮膚糸状菌症は、真菌(カビ)の一種が犬の皮膚や被毛に感染して起こる皮膚病です。
この病気はとくに背中や体幹部に発赤と脱毛が見られ、徐々に広がることが多いです。
また皮膚糸状菌症は子犬や免疫力が低下している犬で感染しやすいという特徴があります。
治療には抗真菌薬の投与が行われることが多いです。

寝転がっているウェルシュコーギー

犬の背中の皮膚炎を予防するためのおうちケア

犬の背中の皮膚炎の予防のためには、獣医師による治療に加え日常的なケアが重要です。
ここでは自宅で取り入れやすい犬の皮膚のケアを紹介します。

腸活

腸活は背中の皮膚炎ができる皮膚病を予防できる体質改善の一つです。
腸内環境が乱れると免疫バランスが崩れ、皮膚炎が起こりやすくなります。
腸活により犬アトピー性皮膚炎を背景とする皮膚炎が再発しにくくなる可能性があります。
とくに乳酸菌とオリゴ糖を含む腸活サプリメントは有効性が高いです。
腸活についてはこちらも読んでみてください。

犬の腸活完全攻略ガイド|腸と皮膚の意外な関係とは

エリスリトール

エリスリトールは背中の皮膚炎の予防に有効です。
エリスリトールは糖アルコールの一種であり、皮膚常在菌の増殖を抑える作用があります。
これはとくに膿皮症や脂漏性皮膚炎で増殖するブドウ球菌やマラセチアに対して有効です。
保湿剤にエリスリトールが含まれているものを利用すると、保湿もできて一石二鳥です。
エリスリトールについてはこちらもチェックしてみてください。

犬の皮膚の健康とエリスリトールの関係|エリスリトールの作用を解説

定期的な駆虫薬

定期的な駆虫薬の使用は、ノミやニキビダニによる背中の皮膚炎を防ぐために欠かせません。
これらの寄生虫は目に見えなくても皮膚炎を起こすため、定期的な予防が必要です。
駆虫薬を継続していればこれらの寄生虫による皮膚炎が見られることはほとんどありません。
駆虫薬には1回の投与で1ヶ月効果が持続するものと3ヶ月持続するものがあります。
継続しやすい薬剤を獣医師と相談して使用しましょう。

まとめ

犬の背中の皮膚炎は、被毛が深いため見逃されやすい皮膚トラブルです。
背中の皮膚炎を発見した場合は、早めに獣医師の診断を受けることが大切です。
治療とあわせて腸活やスキンケア、駆虫を行うことで再発予防につながります。
日頃から背中の皮膚を意識して観察し、愛犬の皮膚の健康を守っていきましょう。

 

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記事監修者

伊従慶太獣医師

どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科主任皮膚科医
伊從 慶太
アジア獣医皮膚科専門医・獣医師・獣医学博士(獣医皮膚病学)

麻布大学を卒業後、岐阜大学連合獣医学研究科にて博士課程を修了。
東京農工大学、ドイツミュンヘン大学およびスウェーデン農業科学大学において小動物および大動物の皮膚科研修を経て、2015年にアジア獣医皮膚科専門医を取得。
現在は、どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科で診察を行う傍ら、全国の獣医師に対する教育活動や学会活動、細菌性皮膚疾患、スキンケア分野を中心とした研究活動を行う。