「愛犬の外耳炎がなかなか治らない」
このように感じて、心配されている飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。
なかなか治らない外耳炎も、ビデオオトスコープという機器を使うことで、改善に向かう場合があります。
今回は、犬の外耳炎に対するビデオオトスコープを使った検査と治療について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の外耳炎でお悩みのときにお役立てください。
犬の外耳炎がなかなか治らないのはなぜ?
犬の外耳炎がなかなか治らない場合、以下のような外耳炎の根本的な原因を取り除けていないことが多いです。
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アレルギー
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異物
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寄生虫
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腫瘍
外耳炎は耳の入口から鼓膜までの外耳道と呼ばれる部分に炎症が起きる病気であり、このようにさまざまな原因によって発症します。
こうした根本的な原因が残ったままだと、点耳薬の治療で一度よくなっても、外耳炎を何度も繰り返しがちです。
そして、外耳炎は繰り返しているうちに慢性化してしまい、ますます治療が難しくなります。
外耳炎は慢性化すると治りにくい
外耳炎が慢性化すると、通常の耳洗浄や点耳薬では治りにくくなります。
外耳炎が慢性化した耳は厚く硬くなって耳道が狭くなり、耳の奥にたまった耳垢や毛を洗い出すことが難しくなるためです。
また、耳の中に異物や腫瘍があると、点耳薬やふだんの耳洗浄だけでは十分に対応できません。
こうした耳の奥の状態は外から見るだけでは分かりにくいため、根本的な原因への対応とあわせて、耳の奥をしっかり確認することが大切です。
ビデオオトスコープとは?
ビデオオトスコープとは、耳の奥をカメラで拡大して映しながら、洗浄や処置ができる内視鏡です。
ビデオオトスコープを使うと、ふつうの耳鏡では見えにくい耳の奥まで、モニターに大きく映して確認できます。
鼓膜の状態を確認することもでき、機械の性能によっては鼓膜越しに中耳の様子まで見えるのも特長です。
また、ビデオオトスコープでは細い器具を通して、洗浄液で耳の奥を洗い流したり、異物を取り除いたりすることもできます。
汚れや異物を目で見ながら取り除けるため、ふだんの耳洗浄では届かない部分まできれいにできます。
ビデオオトスコープには麻酔が必要?
ビデオオトスコープは観察するだけであれば、多くの場合、麻酔をかけずに行うことができます。
一方で、耳の奥を洗浄したり異物を取り除いたりする処置まで行う場合は、犬が動かないように全身麻酔をかけて行うことが一般的です。
ビデオオトスコープに対応できる病院は限られるため、まずはかかりつけの動物病院に相談してみるとよいでしょう。
ビデオオトスコープが有効なケース
ビデオオトスコープは、以下のようなケースで有効です。
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慢性化してなかなか治らない外耳炎
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耳の中に異物や腫瘍があるとき
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暴れて耳の洗浄ができないとき
それぞれについて解説します。
慢性化してなかなか治らない外耳炎
慢性化してなかなか治らない外耳炎は、ビデオオトスコープが有効な代表的なケースです。
ビデオオトスコープなら、耳の奥に残った耳垢や毛を、目で確認しながらしっかり取り除くことができます。
耳の奥をしっかりと洗浄することで、細菌やマラセチアが繁殖しにくくなり、点耳薬も隅々まで行き届きやすくなります。
耳の中に異物や腫瘍があるとき
耳の中に異物や腫瘍があるときも、ビデオオトスコープが有効なケースです。
ビデオオトスコープを使えば、植物の芒や毛のかたまりなどの異物を、画面で確認しながら取り除くことができます。
また、腫瘍が疑われるしこりができている場合も、しこりの大きさによっては画面を見ながら切除することができます。
暴れて耳の洗浄ができないとき
ビデオオトスコープは、耳の痛みや洗浄の不快感のために暴れてしまって、診察室で耳洗浄ができない犬にも役立ちます。
このような場合は麻酔をかけて行うため、犬が痛がることなく耳の奥まで処置ができます。
無理に洗おうとして耳を傷つける心配もありません。
外耳炎を慢性化させないためのおうちでのケア
外耳炎を慢性化させないためには、動物病院での治療とあわせて、おうちでのケアが大切です。
ふだんから耳の状態を良く保っておくことは、麻酔下での処置が必要になるほど悪化させないことにもつながります。
具体的には、以下のようなケアが挙げられます。
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腸活
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エリスリトール
それぞれについて解説します。
腸活
腸活は、犬の外耳炎を慢性化させないために役立つケアです。
腸内環境が整い、体質的なアレルギーの症状が緩和されれば、外耳炎の再発を防げる可能性があります。
日常の食事に、乳酸菌やケストースを含むサプリメントを取り入れると効果的です。
腸活についてはこちらをチェックしてみてください。
犬の腸活完全攻略ガイド|腸と皮膚の意外な関係とは
エリスリトール
エリスリトールは、犬の外耳炎の予防に活用できる成分です。
エリスリトールは糖アルコールの一種で、耳の中の菌のバランスを整える働きがあるとされています。
保湿剤に入ったものを耳に塗ることで、外耳炎の再発を防ぐことが期待されます。
エリスリトールについてはこちらもチェックしてみてください。
犬の外耳炎にはエリスリトールが有効?|繰り返す犬の外耳炎を予防するエリスリトールの効果を獣医師が解説!
まとめ
犬の外耳炎がなかなか治らない背景には、アレルギーや異物などが関わっていることがあります。
ビデオオトスコープを使うと、耳の奥を目で確認しながら処置ができるため、治りにくかった外耳炎が改善に向かう場合があります。
外耳炎がなかなか治らないときは、早めに動物病院に相談し、耳の奥の状態を確認してもらうことが大切です。
そのうえで、腸活などのおうちでのケアを続けることが、外耳炎の慢性化を防ぐことにつながります。
今回の記事が、愛犬の外耳炎でお悩みの方のお役に立てれば幸いです。
どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科主任皮膚科医
伊從 慶太
アジア獣医皮膚科専門医・獣医師・獣医学博士(獣医皮膚病学)
麻布大学を卒業後、岐阜大学連合獣医学研究科にて博士課程を修了。
東京農工大学、ドイツミュンヘン大学およびスウェーデン農業科学大学において小動物および大動物の皮膚科研修を経て、2015年にアジア獣医皮膚科専門医を取得。
現在は、どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科で診察を行う傍ら、全国の獣医師に対する教育活動や学会活動、細菌性皮膚疾患、スキンケア分野を中心とした研究活動を行う。

