犬の食物アレルギーと腸活の深い関係|食物アレルギーの新しいアプローチを解説

犬の食物アレルギーと腸活の深い関係|食物アレルギーの新しいアプローチを解説

人間の花粉症などと同様に犬もさまざまなものに対してアレルギー反応を起こすことがあります。
犬がしきりに体をかゆがったり、消化不良を起こしたりする場合は食物アレルギーかもしれません。
犬の食物アレルギーでは慢性的な皮膚のかゆみに悩まされることが多いですが、腸内環境の改善は症状の緩和に効果をもたらす可能性があるのではと注目されています。

今回は犬の食物アレルギーと腸活の関係性を詳しく解説します。
愛犬の食物アレルギーにお悩みの飼い主様は、ぜひ最後までお読みいただき、腸活を実践してみてください。

犬の食物アレルギーとは

ご飯を食べている柴犬

犬の食物アレルギーとは特定の食べ物が原因となって、体の中で過剰な免疫反応が起こることです。
食物アレルギーはおもにタンパク質が原因となることが多く、

  • 牛肉

  • 鶏肉

  • 穀物

など、さまざまな食材にアレルギーを示すことがあります。
食物アレルギーでは皮膚のかゆみや、下痢などの消化器症状がみられることが多いです。
特に若いうちから慢性的な皮膚トラブルに悩まされている場合は食物アレルギーを考慮する必要があります。

食物アレルギーの治療

食物アレルギーの治療ではアレルギーの原因となる食材を特定することが大切です。
原因の食材を特定した後は、その食材を含まない食事を与えることが基本です。
症状が強い場合には、ステロイド剤などが使用されることもありますが、食事管理ができていないと効果が限定されます。
食物アレルギーは生涯にわたって管理が必要なため、定期的に獣医師の診察を受けることが重要です。
新しい食材を試す際は少量ずつ与え、異常がないか注意深く観察することが求められますね。

腸内細菌と免疫システムの意外な関係

近年、腸内細菌が免疫システムの発達と機能に重要な役割を果たしていることが明らかになってきています。
腸内には約1000種類以上の細菌が生息しており、これらの細菌は「腸内フローラ」と呼ばれています。
腸には体内の免疫細胞の約70%が存在し、腸内フローラはこの免疫細胞の働きに重要です。
腸内フローラの中でも有益な善玉菌は、

  • 病原体から体を守る防御バリアを形成

  • 免疫系の調節に関与する短鎖脂肪酸の産生

  • 腸管粘膜の健康維持

  • 栄養素の吸収促進

など多くの働きをしてくれます。

腸活で食物アレルギーの症状が緩和する?

腸活

ここまで腸内細菌と免疫システムの関係を解説してきました。
腸内フローラのバランスを整えることには多くの健康メリットがあり、腸活と呼ばれ注目されてきています。
腸活を行うことで、食物アレルギーの症状が緩和される可能性も示されていますね。
腸活がどのように食物アレルギーと関係するかを詳しくみていきましょう。

腸管バリア機能の強化

腸管バリアは腸内の有害物質や病原体が体内に侵入するのを防ぐ重要な機能を持っています。
食物アレルギーがある犬ではバリア機能が損なわれることが多く、アレルギー反応が引き起こされることがあります。
腸内の善玉菌が生成する短鎖脂肪酸は腸管バリアの強化に不可欠です。
腸活で善玉菌を増やすことで腸管バリアを強化し、アレルギーの反応を抑えることができます。

免疫システムの調節

食物アレルギーは腸内フローラの乱れが発症に関連すると考えられています。
腸内の有益な細菌が減少し、病原性の細菌が増加すると、免疫の過剰反応が引き起こされる可能性があります。
腸活によって善玉菌が増えることで、免疫システムが整い、免疫の過剰反応を抑えることができますね。
腸内環境を改善することで、アレルギーのリスクを低下させる可能性があります。

炎症反応の抑制

犬の食物アレルギーでは皮膚や消化器系に炎症を引き起こし、さまざまな症状が現れることが多いです。
腸内の善玉菌は免疫細胞に作用し、体の炎症反応を抑えてくれる働きがあります。
腸活を行うことで炎症反応を抑え、食物アレルギーの症状が緩和される可能性があります。

犬の腸活はサプリメントを活用しよう

スプーンの中のサプリメント

犬の腸活を始めるにはサプリメントを使用することがおすすめです。
プロバイオティクスやプレバイオティクスを含むサプリメントを適切に使用することで、犬の健康をサポートすることができます。
食物アレルギーの犬の場合は、アレルギーの原因となる成分が含まれていないかを事前に確認しましょう。
腸活は根気強く継続して行うことで効果が実感しやすいです。
即効性を求めすぎず、長期的な視点で取り組むことが重要ですね。

まとめ

今回は犬の食物アレルギーと腸活について解説しました。
犬の食物アレルギー慢性の皮膚や消化器症状が見られることが多く、犬の生活の質(QOL)が著しく低下します。
食物アレルギーでは食事制限など継続的な管理が必要であり、腸活は食物アレルギーの管理の一助になる可能性があります。
愛犬の食物アレルギーにお悩みの場合は腸活を日々の食事に取り入れてみましょう。

 

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記事監修者

伊従慶太獣医師

どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科主任皮膚科医
伊從 慶太
アジア獣医皮膚科専門医・獣医師・獣医学博士(獣医皮膚病学)

麻布大学を卒業後、岐阜大学連合獣医学研究科にて博士課程を修了。
東京農工大学、ドイツミュンヘン大学およびスウェーデン農業科学大学において小動物および大動物の皮膚科研修を経て、2015年にアジア獣医皮膚科専門医を取得。
現在は、どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科で診察を行う傍ら、全国の獣医師に対する教育活動や学会活動、細菌性皮膚疾患、スキンケア分野を中心とした研究活動を行う。