01. 腸活に刮目せよ！

これらの願いは、
犬や猫と生きるご家族の皆様、動物医療関係者の誰もが願うことだと思います。

これらの願いを実現させるために、
明日からすぐに始められるのが『腸活』です。

腸活とは、
腸内フローラ（腸内細菌叢）を整えることで、
食事やサプリメントを通じて
腸内細菌の多様性を高めるアプローチです。

人では腸内フローラの乱れが様々な病気と関連していることや、
それらに対して腸活が有用であることが次々と解明されています。

近年、動物においても
腸活の有用性が注目されるようになっているんです。


02. 腸内フローラと健康との深い関係

腸は食物を消化・吸収・排泄するだけの臓器だと思っていませんか？
ノンノン！腸は体の免疫を支える大きな役割を果たし、
免疫を担当する細胞の70%が存在するとされています。
免疫は体に害のある異物（病原体など）を排除し、体を守る欠かせない仕組みです。

この町の活動を射させるのは腸内フローラであり、
特に町内の善玉菌が産生する短鎖脂肪酸と呼ばれる物質が
重要な役割を果たしてくれています。

短鎖脂肪酸は面系の調査医のみならず、腸のエネルギー源となり、善玉菌を減らして腸内環境を改善するほか、代謝や食欲の調整にも関与します。


豊かな腸内フローラは
脳、心臓、肝臓、腎臓、内分泌臓器などの活動にも寄与しており、
腸内フローラは『1つの臓器』に匹敵するほどの
影響力があることが分かってきています。


03. 腸と皮膚の関係

腸内フローラが乱れることにより、炎症を引き起こす免疫細胞が暴走してしまうのでは？
という仮説が立てられるキッカケとなったすごい発見がありました。

COLUMN：詳しく知りたい方向け
腸と皮膚の関連性が注目された1つんキッカケとして、
皮膚に角質増生と炎症を認める『乾癬という皮膚病』と
消化管に慢性的な炎症が起こる『炎症性腸疾患』との関係が挙げられます。
（詳しい病名は「ふ〜ん」くらいで読み飛ばして大丈夫です！）

いずれの疾患の病態にも過剰な免疫反応が関与します。
乾癬の患者を調べると、 健常な人に比べて4倍も炎症性腸疾患を発症するリスクを持つことが判明しました。そして、乾癬も炎症性腸疾患でも腸内フローラの乱れがあることがわかり、炎症を抑える作用を持つ腸内細菌が減少し、アタック悪玉菌が増加していることが判明しました。

そこから、アトピー性皮膚炎、ニキビ、膿皮症などでも腸内フローラの乱れが見つかりました。また、腸内フローラの多様性が低い乳幼児は、アトピーを発症するリスクが高くなることもわかっております。さらには、赤ちゃんの頃にアトピーを発症すると、年齢とともに、食物アレルギーや喘息、花粉症など、他のアレルギーを月々引き起こす可能性が示唆されています。

犬や猫では皮膚疾患と腸内フローラの関連性は、人の研究ほどは十分に調査されていませんが、犬アトピー性皮膚炎を対象に腸活介入をすると、皮膚症状の軽減、ステロイドなどの減薬、発症予防の可能性、発症しても軽傷で済む可能性が示唆されています。

皮膚トラブルを考える際に、
腸は切っても切れない存在なのです。