犬の腸活で知っておきたい短鎖脂肪酸|短鎖脂肪酸の効果を解説

犬の腸活で知っておきたい短鎖脂肪酸|短鎖脂肪酸の効果を解説

「最近、愛犬の元気がない」
「愛犬のお腹の調子が悪い日が続いている」
「愛犬の皮膚の状態や毛ヅヤが悪くなってきた」

そんなお悩みをお持ちの飼い主様はいるのではないでしょうか。
実は、犬の健康状態は腸内環境と深く関わっていると考えられています。
近年、人間でも注目されている腸活ですが、犬の健康維持にも重要です。

今回は犬の腸活の重要性と、特に注目すべき短鎖脂肪酸について詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の腸活を始めるきっかけにしてみてください。


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犬の健康と腸活の関係性

笑いながらこちらをみている犬二匹

腸活とは腸内環境を整えることで全身の健康を維持・改善する取り組みのことです。
犬の腸内には約1000種類もの腸内細菌が存在し、これらが形成する生態系を腸内フローラと呼びます。
腸内フローラの重要な役割は以下の通りです。

  • 免疫システムの調整
  • 栄養素の吸収促進
  • 有害菌の増殖抑制
  • 消化機能の維持

腸内フローラが乱れると、消化不良や下痢などの消化器症状やアレルギー症状の悪化などさまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。
腸活で腸内フローラのバランスを整えることは健康維持に非常に重要です。

腸活に欠かせない短鎖脂肪酸って何?

短鎖脂肪酸とは腸内の善玉菌が食物繊維やオリゴ糖などを発酵分解する過程で生成される成分です。
腸内細菌の産生する短鎖脂肪酸には、

  • 酢酸
  • プロピオン酸
  • 酪酸

などの種類があります。
短鎖脂肪酸は腸内フローラのバランスを保つために不可欠と言われています。

短鎖脂肪酸が持つ効果とは

短鎖脂肪酸は、犬の腸内環境を整える上で重要な役割を果たします。
ここでは短鎖脂肪酸の効果を説明していきます。

腸内フローラの調節

短鎖脂肪酸は腸内の善玉菌の増殖を促進し、腸内環境を整える助けとなります。
善玉菌が増えることで、腸内のpHが低下し、有害な病原菌の増殖を抑制します。

消化吸収の促進

短鎖脂肪酸は消化吸収を促進する効果もあります。短鎖脂肪酸は腸の上皮細胞にエネルギーを供給し、栄養素の吸収を助けてくれます。
食物繊維を多く含む食事を摂ることで短鎖脂肪酸の生成が促進され、消化がスムーズになりますね。

免疫機能の強化

短鎖脂肪酸は腸内の免疫細胞を活性化し、免疫機能を強化すると考えられています。
腸は免疫系の重要な要素であり、腸内フローラのバランスが崩れると、免疫機能が低下する可能性があります。

腸粘膜の保護

短鎖脂肪酸は腸粘膜を強化することで、病原菌や有害物質の侵入を防ぎます。
この働きによって、短鎖脂肪酸は犬の体を炎症から守ってくれると考えられています。

腸活で短鎖脂肪酸を増やすには

ご飯の前で待てをするチワワ

「犬の腸内で短鎖脂肪酸を増やすにはどうすればいいの?」
このような疑問を持つ飼い主様も多いと思います。
短鎖脂肪酸は善玉菌によって作られるので、善玉菌を増やすことが大切です。
善玉菌を増やすため腸内細菌のエサになるオリゴ糖や食物繊維などのプレバイオティクスを取り入れましょう。
市販のドッグフードやおやつにも食物繊維やオリゴ糖が入っているものがありますが、十分な量が含まれているとは限りません。
そこで、サプリメントを活用するのも一つの方法です。

犬の腸活サプリメントの選び方

犬の腸活をサプリメントで行う場合は3〜6ヶ月程度継続して効果を判定する必要があります。
腸活を長期間継続するためにも以下の点に注意してサプリメントを選びましょう。

  • 原材料の品質や安全性を確認する
  • 不要な添加物を含まないものを選ぶ
  • 含有成分の種類や量を確認する
  • 犬が摂取しやすい形状のものを選ぶ

腸活中は犬の排便の様子などをよく観察するようにし、異変があれば獣医師に相談しましょう。

まとめ

白いトイプードルと仲良くする家族

犬の健康維持において腸活は非常に重要な要素です。
特に短鎖脂肪酸の産生を促進することで、腸内環境を整えることができます。
サプリメントをうまく活用して犬の腸活を始めてみませんか。
腸活を行うことで、愛犬がより健康的な時間を過ごすことができるでしょう。


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記事監修者

伊従慶太獣医師

どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科主任皮膚科医
伊從 慶太
アジア獣医皮膚科専門医・獣医師・獣医学博士(獣医皮膚病学)

麻布大学を卒業後、岐阜大学連合獣医学研究科にて博士課程を修了。
東京農工大学、ドイツミュンヘン大学およびスウェーデン農業科学大学において小動物および大動物の皮膚科研修を経て、2015年にアジア獣医皮膚科専門医を取得。
現在は、どうぶつの皮膚科・耳科目・アレルギー科で診察を行う傍ら、全国の獣医師に対する教育活動や学会活動、細菌性皮膚疾患、スキンケア分野を中心とした研究活動を行う。